広島高速交通株式会社 平成30年度決算状況

(1)事業報告 
 

 開業25年目を迎えた当期におきましては、平成26年1月に策定し、平成29年1月に見直しました「今後の経営
展開-経営改善計画-」に基づき、需要創出をはじめとした活動を展開してまいりました。
 当期の輸送人員につきまして、定期では学生定期が減少となりましたが、定時・安全輸送継続への評価も
あり、通勤定期の利用が年間を通して堅調に推移したことから合計で2.0%の増加となりました。一方、定期外
では、平成30年7月豪雨による影響に加え、前期の上野学園ホールにおける劇団四季のロングラン公演、野
外コンサートなど大型イベントの剥落による反動減、台風接近による花火大会の開催中止や暖冬など天候の
影響による減少もあり、Jリーグ等のイベント開催時に予想される輸送需要に対応した列車増発等を行い増客
に努めましたが、普通券、ICカード合計で0.8%の減少となりました。この結果、年間の輸送人員は前期と比較し
て0.7%の増加となる2,389万835人、 1日平均では465人の増加となる65,454人となりました。
    
 運輸収入につきましては、前期と比較して0.1%の増加となる44億6,324万円、1日平均では1万6千円の増加
となる1,222万円となりました。また、運輸雑収は0.4%の増収、付帯事業収入は広島市交通科学館の指定管
理業務終了に伴い54.2%の減収となり、この結果、営業収入合計では前期より2億4,471万円、4.8%減少して
48億7,645万円となりました。
 これに対し、営業費用につきましては、施設・設備・車両の長寿命化のための改修・修繕の実施による修繕
費などの増加はありましたものの、広島市交通科学館の指定管理業務終了に伴う減少もあり、前期と比較し
て1億6,224万円、 3.6%減少の43億7,617万円となりました。この結果、営業損益は、前期より8,247万円減少
し、5億27万円の利益となりました。また、営業外損益では、支払利息の減少などにより、前期と比較して1,25
2万円の改善となる4,699万円の損失となりました。この結果、経常利益は4億5,327万円となり、前期より6,99
5万円の減益となりました。なお、特別利益として、変電設備の真空遮断器の更新を実施したことに伴う補助
金966万円を計上し、特別損失として、補助対象資産の圧縮損を同額計上しております。法人税等の控除、
調整後の当期純利益は2億9,798万円となり、前期より6,243万円、17.3%の減益とはなりましたが、7期連続で
単年度黒字を計上し、期末の累積損失は94億373万円となっております。
   
 輸送の安全確保への取組としては、社内の運輸安全マネジメント委員会において、「事故・輸送障害・インシ
デントの発生ゼロ(ヒューマンエラーによる事故等の撲滅)」「事故の芽の効果的な摘み取り」「設備更新と機能
改良の円滑な実施」を安全重点施策として設定し、各職場において取組目標を定めて訓練や研修を実施し、
各種活動を展開いたしました。この結果、運転事故を発生させることはありませんでした。
   
 今期より、広島市で進めている広域公園前からの延伸に向けた取組を受けて、安全運行・定時運行の確保、
経営の安定化等の視点から検討・協議を始めております。時代は「平成」から「令和」へと移り変わりますが、
これからも安全を最優先として、お客様に安心・快適にご利用いただけますよう、役員及び社員が一丸となっ
て輸送品質に磨きをかけるとともに、時代及び事業環境の変化にも柔軟に対応しつつ業績向上に取り組んで
まいります。
   

(2)運輸成績
   

区     分

平成29年度 平成30年度
年  間 1日平均 年  間 1日平均

輸 送 人 員

定 期

12,762,180人 34,965人 13,014,550人 35,656人

定期外

10,958,857人 30,024人 10,876,285人 29,798人

23,721,037人 64,989人 23,890,835人 65,454人

運 輸 収 入

定 期 1,775,379千円 4,864千円 1,800,590千円 4,933千円
定期外 2,682,083千円 7,348千円 2,662,651千円 7,295千円
4,457,462千円 12,212千円 4,463,241千円 12,228千円
運 輸 雑 収 200,159千円 548千円 200,964千円 551千円
収 入 合 計 4,657,621千円 12,760千円 4,664,205千円 12,779千円



(3)貸借対照表(平成31年3月31日現在)                            
                                              (単位:千円)
資産の部 負債の部
流動資産
  現金・預金
  未収運賃
  未収金
  未収収益
  貯蔵品
  前払費用
  その他の流動資産

固定資産
  鉄軌道事業固定資産
  付帯事業固定資産
  建設仮勘定
  投資その他の資産
   長期前払費用
   その他の投資等

4,860,612
4,222,565
91,330
286,361
4,767
241,320
5,979
8,286

31,461,708
30,143,880
102,415
825,201
390,209
380,322

9,887
流動負債
  短期借入金
  1年以内返済長期借入金
  未払金
  未払費用
  未払法人税等
  未払消費税等
  預り連絡運賃
  前受運賃
  前受金
  賞与引当金
  その他の流動負債


固定負債
  長期借入金
  長期未払金
  退職給付引当金
  繰延税金負債
  その他の固定負債
17,617,091
15,500,000
84,154
891,088
70,157
98,278
61,087
125,089
195,090
239,584
116,509
236,050


18,108,960
15,169,835
1,842,641
974,261
72,757

49,464
 負債合計 35,726,052
純資産の部
株主資本
資本金
利益剰余金
 その他利益剰余金

  繰越利益剰余金
596,267
10,000,000

△9,403,732

△9,403,732
△9,403,732
純資産合計 596,267
資産合計 36,322,320 負債・純資産合計 36,322,320
(注)記載金額は、千円未満の端数を切り捨てております


(4)損益計算書(平成30年4月1日から平成31年3月31日まで)            
                                                         (単位:千円)
科目 金額
経常損益の部 営業損益の部 鉄軌道事業
  営業収益
  営業費
  営業利益

付帯事業
  営業収益
  営業費
  営業利益

全事業営業利益

4,664,205
4,266,037



212,244
110,141




398,167





102,103

500,271
営業外損益の部 営業外収益
  市補助金 ※1
  その他の収益

営業外費用
  支払利息
  長期前払費用償却
  支払手数料
  その他の費用

1,707
5,815


27,210
16,711
10,046
553



7,523





54,521
経常利益   453,273
特別利益
 国補助金
特別損失
 固定資産圧縮損

9,666

9,666

9,666

9,666
税引前当期純利益   453,273
法人税、住民税及び事業税   155,309
法人税等調整額 △18
当期純利益   297,982
(注)記載金額は、千円未満の端数を切り捨てております。
※1 地下鉄区間インフラ部整備に係る借入金利子補助金です。

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