広島高速交通株式会社 令和元年度決算状況

(1)事業報告 
 

 開業26年目を迎えた当期におきましては、前期に引き続き、平成26年1月に策定し、平成29年1月に見直し
ました「今後の経営展開-経営改善計画-」に基づき、需要創出をはじめとした活動を展開してまいりました。
 当期の輸送人員につきまして、第3四半期までは、定期では4月下旬から始まった大型連休の影響に伴う買
い控えが見られた一方で、9月末には消費税改定に伴う運賃改定前の駆け込み需要などもあり、全体とし
ては増加基調を維持しました。また、普通券、ICカードの定期外では、前期は取り止めとなった花火大会の開
催などイベント利用などによる増加はありましたが、運賃改定に伴う定期への移行などから微増となりました。
 一方、第4四半期については、新型コロナウイルスの感染拡大による一斉休校や在宅勤務切替え、イベント
取り止め、外出自粛の動きの広がりなどによる利用者の減少が見られ、このため年間の輸送人員は前期と
比較して0.5%の増加にとどまる2,401万4,025人、1日平均では158人の増加となる65,612人となりました
    
 運輸収入につきましては、前期と比較して0.5%の減少となる44億4,193万円、1日平均では9万2千円の減少
となる1,213万円となりました。また、運輸雑収は2.5%の減収、付帯事業収入は0.8%の増収となり、この結果、
営業収入合計では前期より2,473万円、0.5%減少して48億5,171万円となりました。
 これに対し、営業費用につきましては、消費税改定に伴うシステム改修による業務委託費の増加などはあ
りましたが、高架点検業務の終了に伴う修繕費の減少などもあり、前期と比較して1億524万円、2.4%減少の
42億7,093万円となりました。この結果、営業損益は前期より8,051万円増加し、5億8,078万円の利益となりま
した。また営業外損益では、支払利息の減少などにより、前期と比較して950万円の改善となる3,749万円の
損失となりました。この結果、経常利益は前期より9,001万円の増益となる5億4,329万円となりました。なお、
特別利益として、公益財団法人日本交通文化協会から本通駅のパブリックアート『夕凪の街 桜の国』の寄贈
を受けた事に伴う受増益3,800万円を計上しております。法人税等の控除後の当期純利益は3億8,528万円と
なり、前期より8,730万円、29.3%の増益とはなり、8期連続で単年度黒字を計上し、期末の累積損失は90億
1,844万円となっております。
   
 輸送の安全確保への取組としては、社内の運輸安全マネジメント委員会において、「事故・輸送障害・インシ
デントの発生ゼロ(ヒューマンエラーによる事故等の撲滅)」「コミュニケーションの活性化」を安全重点施策とし
て設定し、各職場において取組目標を定めて訓練や研修を実施し、各種活動を展開いたしました。この結果、
運転事故を発生させることはありませんでした。
   
 前期に引き続き、広島市で進めている広域公園前からの延伸に向けた取組を受けて、安全運行・定時運行
の確保、経営の安定化などの視点から検討・協議を行なってまいりました。
 これからも安全を最優先として、お客様に安心・快適にご利用いただけますよう、役員及び社員が一丸となっ
て輸送品質の向上に努めるとともに、経営の効率化に取り組んでまいります。
   

(2)運輸成績
   

区     分

平成30年度(営業日数365日) 令和元年度(営業日数366日)
年  間 1日平均 年  間 1日平均

輸 送 人 員

定 期

13,014,550人 35,656人 13,314,668人 36,379人

定期外

10,876,285人 29,798人 10,699,357人 29,233人

23,890,835人 65,454人 24,014,025人 65,612人

運 輸 収 入

定 期 1,800,590千円 4,933千円 1,840,067千円 5,027千円
定期外 2,662,651千円 7,295千円 2,601,869千円 7,109千円
4,463,241千円 12,228千円 4,441,936千円 12,136千円
運 輸 雑 収 200,964千円 551千円 195,941千円 535千円
収 入 合 計 4,664,205千円 12,779千円 4,637,877千円 12,671千円



(3)貸借対照表(令和2年3月31日現在)                            
                                              (単位:千円)
資産の部 負債の部
流動資産
  現金・預金
  未収運賃
  未収金
  未収収益
  貯蔵品
  前払費用
  その他の流動資産

固定資産
  鉄軌道事業固定資産
  付帯事業固定資産
  建設仮勘定
  投資その他の資産
   長期前払費用
   その他の投資等

4,846,934
4,129,251
70,819
265,364
3,946
346,231
5,824
25,495

32,339,915
30,253,336
106,478
1,598,696
381,403
371,508

9,895
流動負債
  短期借入金
  1年以内返済長期借入金
  未払金
  未払費用
  未払法人税等
  預り連絡運賃
  前受運賃
  前受金
  賞与引当金
  その他の流動負債


固定負債
  長期借入金
  長期未払金
  退職給付引当金
  繰延税金負債
  その他の固定負債
18,228,769
15,500,000
99,438
1,533,244
69,253
131,947
100,156
212,316
248,597
113,561
220,254



17,976,524
15,070,397
1,846,107
996,263
25,721

38,035
 負債合計 36,205,294
純資産の部
株主資本
資本金
利益剰余金
 その他利益剰余金

  繰越利益剰余金
981,554
10,000,000

△9,018,445

△9,018,445
△9,018,445
純資産合計 981,554
資産合計 37,186,849 負債・純資産合計 37,186,849
(注)記載金額は、千円未満の端数を切り捨てております


(4)損益計算書(平成31年4月1日から令和2年3月31日まで)            
                                                         (単位:千円)
科目 金額
経常損益の部 営業損益の部 鉄軌道事業
  営業収益
  営業費
  営業利益

付帯事業
  営業収益
  営業費
  営業利益

全事業営業利益

4,637,877
4,163,498



213,840
107,434




474,378





106,406

580,785
営業外損益の部 営業外収益
  市補助金 ※1
  その他の収益

営業外費用
  支払利息
  長期前払費用償却
  支払手数料
  その他の費用

1,013
1,839


18,327
9,891
9,863
2,265



2,853





40,347
経常利益   543,290
特別利益
 固定資産受総益

38,000

38,000
税引前当期純利益   581,290
法人税、住民税及び事業税   196,003
当期純利益   385,286
(注)記載金額は、千円未満の端数を切り捨てております。
※1 地下鉄区間インフラ部整備に係る借入金利子補助金です。

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